ヘア&フェイシャルサロン「Re+」代表
美容師歴22年。東京都板橋区で髪質&肌質改善を専門とするヘア&フェイシャルサロン「Re+(リプラス)」を運営しています。
美容室でパーマをかけたばかりなんですが、思っていたよりもパーマのかかりが強すぎるような気がします…。でも、美容室にかけなおしをお願いするのは、とても言いにくくて嫌です。
とは言っても、ずっとこのままだったらやっぱり困ります。かかりすぎのパーマは、いったいどうすればいいのでしょうか?
パーマは成功すれば毎日のスタイリングを楽ちんにしてくれる魔法のような技術。その反面、「かかりがゆるすぎる」「かかりすぎている」という失敗のお悩みも多く聞かれます。
明らかに希望よりも強すぎるパーマは、美容室でお直しをお願いするのが間違いなくベストの選択です。自己判断でセルフストレートをやってしまうと、取り返しのつかない事態になってしまうこともあり得ます。
ですがパーマのかかりが微妙に強いかも?というケースでは自分でできる対処法がありますので、今回はその方法について詳しく解説していきます。
「一度パーマがかかってしまうと、簡単に緩められないんじゃないの?」と考える方が多いことでしょう。
ですが実際には、パーマを少し緩めるのは簡単で、むしろ長期間全く緩ませないほうが至難の業です。
デシタルパーマやエアウェーブは、熱による固定力が加わるパーマのため、自分でゆるめるのは難しいこともあります。
今回のパーマの緩め方では、非加熱式のパーマ限定で活用できる4つの裏技をご紹介します。
パーマには、髪を引っ張る頻度が多ければ多いほど早く緩むという性質があります。
反対に、毎日シャンプーを髪に付けても、髪に引っ張る力をまったくかけなかった場合は、1ヶ月経ってもほとんどゆるくなりません。
実際には髪を洗う・拭く・乾かす・スタイリングをする・結ぶといった、一つ一つの動作に引っ張る力が加わっています。
この「髪を扱う習慣」に問題があると、パーマの持ちは著しく悪くなってしまうのですが、その性質を逆手に取ってパーマを緩めるという裏技があるのです。
具体的な方法は実に簡単で、シャンプー後、硬めのトリートメントを付けた状態で手ぐしを数分間通し続けるだけ。
美容師はパーマをかけた直後、可能な限り髪を引っ張らないように注意して扱っています。
それはパーマを固定した後でも、髪を引っ張ると緩んでしまいやすいことを理解しているからです。
とりわけ、パーマをかけてから1週間以内は、髪の中の状態がとても不安定で、パーマもそれに影響されます。
濡れた状態で、なるべく髪に「重さ」を与えられるもの=硬めのトリートメントを付けた状態で、手ぐしを繰り返し通す。これが最小限の負担でパーマを緩めることができる、1つ目の方法です。
ただし、この方法でパーマの落とし方の微調整までこなすのは、難しいでしょう。なぜなら、濡れているときの方がパーマはきつくかかって見えるからです。
この方法を実践して、髪を乾かしてみても、まだ少し「パーマのかかりが強い」と感じる場合は次のステップをやってみましょう。
美容師の人からは「パーマをかけた当日は、髪を洗わないでね」とアドバイスされているはず。
実際には、「シャンプーをすること」と「パーマがゆるむこと」に直接の関係はありません。
関係が深いのは、髪を濡らすことにより、髪の中にある「水素結合」が切断される、という現象。
この水素結合は、髪を乾かせば元通りに引っ付きますが、「髪の内部の不安定さを助長する」という観点から、パーマの持ちに影響を及ぼします。
つまり、パーマをかけた直後に髪を「濡らす」「乾かす」を頻繁に繰り返すと、パーマが取れやすくなるということです。
この理論をパーマ落としに利用したい場合は、下記の内容を繰り返すと効果的でしょう。
ちなみに、ドライヤーで髪を乾かす動作中にも髪を引っ張る力は、自然と組み込まれています。
パーマを長持ちさせたい時は、なるべく髪を持ちあげるように、引っ張らないようにして乾かすのが基本です。
反対に、パーマを緩めたい時は、ストレートヘアの髪を乾かす時と同じように、指を通して少し引っ張りながら乾かすことで、更にパーマは取れやすくなります。
つまりは、1番目の方法も2番目の方法も、わざとパーマが緩みやすくなるようなことをしているのです。
この状態でもまだ「パーマの出方がきつい」と感じる時は、次のステップ3へと進みます。
このやり方も、パーマの持ちを良くしたい時は絶対に「やってはいけないこと」の一つです。
ストレートアイロンがない人は、ブローでも構いません。やりやすい方でやってください。
なお、「髪が濡れた状態でストレートアイロンを当てる方法」を推奨しているサイトもありますが、高温の蒸気によって頭皮をヤケドする危険もあるうえに、髪を著しく傷めます。
かならず髪がしっかりと乾いた状態で、ストレートアイロンを当てるようにしましょう。
これが終わったら、もう一度髪を湿らせて乾かすと、元々のかかりがそれほど強くないパーマは、かなり緩むはずです。
この方法も他のやり方同様、ゆるみ方の微調整までは出来ないので、パーマが取れすぎて、なくなってしまう失敗を覚悟の上で試しましょう。
これでもまだ「明らかにパーマが強すぎる」と感じる場合は、美容室にお直しを頼む方が安全・確実です。
まだ少し強いかな?ぐらいの時は次のステップ4に進みましょう。
ステップ1~3までを一通りやって、それでもまだ少しだけパーマが強いかも?と感じる時は、時間経過で様子を見るのがベスト。
意識的にパーマを伸ばそうとしなくても、いつも通りにシャンプーやドライヤーを繰り返していれば、自然とパーマはゆるみます。
「パーマの巻き方・構成」自体に問題があってお直しをしたい場合は別ですが、焦らず一週間の様子見が無難な選択です。
意外と知られていないことですが、美容師にとってはかかりすぎたパーマをゆるめるのはそれほど難しくない技術です。パーマをゆるめるためにもパーマ液を使用しますが、弱い力のパーマ液で良いので、髪への負担も少なくなります。
具体的手順としては、シャンプー台で髪を濡らしてからパーマを緩めたい場所にクリーム状のパーマ液を馴染ませます。ほんの数分でパーマはゆるむので、「ちょうどいいゆるみ方」の時に、固定する薬を付けてもうおしまい。
たったこれだけで終了なので、かかりすぎたパーマを緩くするのは意外と簡単。美容師によっては液体のパーマ液を使うこともあると思いますが、基本的な手順は一緒です。
パーマの仕組みをちゃんと分かっている美容師にとっては重荷になるような内容ではないので、悩むときは思い切って美容師に相談してみましょう。
かかりすぎたパーマを緩めるだけなら簡単なことです。しかしまったく違う巻き方の緩いパーマにかけ直すとなると話は別で、難易度がぐっと上がります。
この時に問題となるのは、髪の傷みが上乗せされてしまうということです。髪が傷みすぎるとパーマそのものがうまくかからなくなり、失敗の失敗を引きおこしてしまうリスクまで上がってしまいます。
髪を必要以上に傷ませずに短期間でパーマをかけ直すとなると、美容師の技量に加えてヘアケアの専門的なスキルも必要です。
もしも最初にパーマをかけた時、すでに髪の傷みが際どかった場合は危険な状態になるため、かけ直しが難しいこともあり得ます。
デジタルパーマは縮毛矯正をやらないと落とせないという意見もありますが、実際には縮毛矯正までしなくてもゆるめられることがほとんどです。普通のパーマを緩める時と同じ方法で緩くすることができます。
なおデジタルパーマを短期間でかけ直すのは、普通のパーマ以上に注意が必要です。
デジタルパーマは持ちが良いパーマである反面、熱による髪への負担もあるので、かけ直しによって髪が傷むリスクも上がります。
パーマが一度かかってしまうと、簡単には落とせないものだと思っている方がほとんどです。
実際は、パーマとはいつまでも同じかかり具合をキープすることの方がむずかしく、普通に洗って乾かしているだけでもゆるんでいきます。
お客さんが自分でスタイリングをするときの方がパーマを引っ張って伸ばす傾向もあるので、それを見越してやや強めにパーマをかける美容師も少なくありません。
普段のスタイリングをどうすれば良いのかなど、わからないことがあれば事前に確認しておくとよいでしょう。
いずれにしても、かかりすぎたパーマを緩めるだけならば、美容師にとっては意外と簡単なことです。
1週間経ってもまだパーマが強い、もしくは扱い慣れしない時や、明らかにかかりすぎのパーマは悩み続けず、美容師に相談をしてみましょう。